私たちが辛い髪の悩みを抱える中、やはり髪と同じように悩んできたのが「肌そのものの悩み」でした。さらにどんどん増えていく情報や商品とともに不安や疑問も膨らんでいきました。シャンプーをお使いいただいた全国の生活者の方々からも、とても真剣な情報が寄せられ、シャンプー開発をきっかけに活動として取り組み始めたのが18年前になります。
　「肌の悩み･不安や疑問はどうして起こるのか」を基軸に、会員の方々との対話をスタートし、専門の方々のもとへ調べ回りました。そしてまさに「肌の悩み＝老化」であること。また時代の移り変わりとともに環境や個人個人の生活スタイルなども変化し、乾燥や大気、紫外線の影響なども増えてきています。それにともない近年は、アレルギー･アトピーや敏感肌･･･と、悩みの種類も広がってきています。それだけに対策を講じなければならないと痛感しました。

　髪同様に、肌にもシミ･シワ･カサつき･吹き出物･･･と、もう肌の悩みにたいして「年をとったら仕方のないことよね･･･」「どうしようもないことだし･･･」と半ば諦めかけていました。でも、こんなに多くの人が私たちと同じように悩んでいるんだ、肌についてももっと深く知らなければならない、と肌の悩みについても調べまわりました。

　調べはじめてみると、私たちは髪と同じように肌そのものの仕組みもほとんど知らないことに気づかされました。肌を振り返ると、年とともに衰えを感じています。赤ちゃんの肌はふっくら、しっとり。10代の肌はキメが整い、ハリがあります。それからどんどん年をとってくると、20代後半から水分･油分量が減少し、乾燥してきます。30代、40代、50代･･･となると肌の弾力もなくなってくる、シミやシワが･･･これが肌の老化です。年をとって体力がなくなるように、肌の老化はどうしても避けられない自然なものです。まずは改めて自分自身の肌の変化を知ることから始めました。

　私たちの肌は「表皮」と「真皮」と「皮下組織」の3つの層でできています。このうち表皮と真皮を合わせた厚さは体の部位による違いはありますが、1～2mm（上まぶたが一番薄く0.6mm）、表皮だけだと0.2mmくらいの本当に薄～い、まるで紙のような状態です。

　一番外側にある表皮の中は、さらに細かく分かれています。一番外側から「角層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」で、化粧品が届くのはなんと一番外側の「角層」まで･･･。「角層」と「顆粒層」の間には「バリアゾーン」というものがあって、私たちの体を外から入ってくるものから守ってくれているんです。この「角層」、なんと0.009mm～0.015mmの厚さしかなく、垢となって剥がれ落ちる前の死んだ細胞がお菓子のミルフィーユのように15層くらいに積み重なってできていました！こんなに薄いからこそ乾燥したりするんだ･･･と、私たちも納得。

　表皮の下の真皮は、主に肌のハリや弾力を維持するところです。主に「コラーゲン」や「エラスチン」、「ヒアルロン酸」からできていて、網の目状になったコラーゲンがピーンと張ると、肌に弾力があります。間を埋めているヒアルロン酸がたっぷりあると、肌はもちもち･ふっくら。でも、年をとるとどれもがどんどん減っていくので、シワやタルミが出来てしまったり･･･。
　このように肌の悩みは、肌そのものの老化から起こってきます。これは防ぎようがありません。ですが、それ以外にも悩みを誘発する原因があり、肌の汚れ･紫外線･新陳代謝の不順･血行不良･脂肪量の減少･乾燥など、ほとんどの原因が共通していることも分かりました。

　私たちの肌はどんなに年を重ねても、常に新しい細胞が生まれ続けています。新しい細胞をつくり古くなった細胞をどんどん吐き出すことで、元気な肌を保つことが出来ます。この仕組みを「ターンオーバー」と言います。細胞が生まれ「基底層」でつくられて、垢となって剥がれ落ちるまで約28～56日間といわれています。子供は28日～と早いですが、年をとると何をするにしても体力がなくなってきたぁ～と自分で思うように、肌もだんだん元気がなくなってきて、このターンオーバーにかかる時間が伸びていってしまうんです。成人では約40日とも言われています！だから肌の悩みが出てきやすくなるし、改善もしにくくなる。

　また、夏はいや～な感じに思ってしまう汗や皮脂。沢山出てきた汗や皮脂は、ほっとくとカユミやニオイの原因になってしまうことも･･･。でもちゃんと調べると、そもそもこうした汗や皮脂にもちゃんと役割があったんです。
　肌は、汗腺からでる汗（水分）と、皮脂腺から出る皮脂（油分）が混ざり合った天然の保湿クリームのような「皮脂膜」で外からの刺激や異物から肌を守り、逆に肌の中の水分が逃げていってしまうのを防いでいます。年齢とともに汗や皮脂が出る量が減ったり、エアコンにあたり続けたり、冬場の大気の乾燥、強い洗浄力の洗顔や石鹸で皮脂が落ちすぎたりすることによって、この大切な皮脂膜の量が減ってしまいます。そうするとやっぱり肌は乾燥してしまいます。単に「洗えばいい」「化粧水もつけとけばいい」と簡単に考えていた当時の私たちは、まさに目からウロコでした。

　こうした仕組みを調べたりすることで、私たちの意識も随分と変わりはじめました。皆で情報を出し合いながら、前向きに考えるようになってきました。

　この活動を始めたおかげで、悩みと前向きに取り組めるようになりました。妥協は絶対にしない―その思いで創ってきた商品のおかげで悩みも随分落ち着いています。
　ただ活動を始めた20年目に比べ、私たちの周りを取り巻く環境も変化し、時代はどんどん先に進み、毛染め･パーマが一般的となり、アレルギーや花粉症などの新しい悩みがどんどん増えています。それだけに私たちもまだまだ悩み･不安･疑問を追究し続けていきます。