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武石 麗子 マダムトモコ 代表取締役
「マダムトモコ」が創り上げてきた商品

母と二人三脚での企業 たくさんの人におしゃれを楽しんで欲しい

 服創りのきっかけは、父からの依頼でした。「母(私の祖母)の米寿の祝いにスーツを仕立ててくれないか」と。祖母は骨粗しょう症で腰が曲がっていました。「既製服のブラウスは前が下がって背中が上がってしまう。動きにくいし」と祖母から言われて、母はどうしようと工夫を始めたそうです。
 創り始めると単純に長さを調節すればいいというものではないことが分かり、丸くなった背中にあわせようと後身ごろの幅を前より広くとったり、アームホールを広くして腕を動かしやすくしたり。さらに母の試行錯誤は続き、やっとひらめいたのが後身ごろのタックでした。このタックで、後に特許も取りました。
 母の手作りのツーピースは祖母の体にぴったり。祖母は本当に喜んでくれました。そんな喜ぶ祖母を見て「他の人はどうしているんだろう?腰が曲がった人たちは、一体何を着て出掛けているの?」と疑問を持ち始めました。きっと服で悩んでいる人は他にいるはず、この服をもっと多くの人に着てもらうために起業しようと思ったのが「マダムトモコ」の始まりです。
 さっそく母が考案したパターンで特許を取り、パターンづくりは母、あとは縫製工場にお願いしています。わたしが社長で、母が専属イメージモデル兼デザイナー兼副社長。トモコは、母の名前です。

女性が喜ぶ姿を励みに、世界への挑戦!たくさんの人が笑顔になるために―

 さて起業はしたものの、とてもニッチな市場ですから不安でした。ありがたいことに三鷹市や東京都、経済産業省などでビジネスの賞をいただき、百貨店そごうのテスト販売用の商品を作り、それが完売。少しずつ必要とされる方へ服が認められていきました。
 ツーピースからカットソー、ブラウスとアイテムを徐々に増やし、好評なのはパンツです。また上の前後の長さを工夫したわが社のパンツは、すごくはき心地がいいと人気のアイテムです。デザインの工夫はもちろん、生地選びは特に慎重に母と二人で行っています。年を重ねて生きてこられた方の服だからこそ、安っぽくはしたくなく質のいいものを選んでいます。
 販売はカタログの通信販売が主です。初めはデパートでも売っていましたが、デパートではこの商品を介護用品売り場で売るのです。いくつになってもおしゃれをしたい、ときめきたい、という女性の気持ちを形にした商品なのに・・・。
 リピーターと口コミでお客様は徐々に増えていますが、やはり資金繰りは大変です。こうして続けているのは、買ってくださった方が喜んでくださるから。出掛ける服が一枚あるだけで、お年寄りの気持ちも変わるし、生活が変わる。ある時、「昨日はおばあちゃんと出掛けて久しぶりに笑って、本当に楽しかった。それまで服がないからと、出かけようとしなかったのに。おばあちゃんの笑顔が見れてよかった」とお客様に言われて、ものすごく励みになりました。

 現在は年4回のカタログや商品づくりに追われていますが、“夢は世界!”です。いつかは海外市場にも打って出たいと思っています。もっともっとたくさんの人に私たちが創った洋服を通して笑顔になってほしい、と願っています。