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光畑 由佳 有限会社モーハウス 代表取締役
「モーハウス」が創りあげてきた商品
「ないなら作ろう」様々な工夫と厳選素材を駆使して

 始まりは、2人目の子どもを出産してすぐ、生後1ヶ月の子どもを連れての外出のときでした。電車の中で突然泣き出してしまったんです。困ってしまって、とっさに電車の中で授乳を始めたのですが、ひどく恥ずかしい思いをしました。
 その時、母乳育児の不便さを痛感。どうして女性は、子ども生んだとたんに色々と行動に制約ができるんだろう。授乳中であろうと出かけることは多々あるし、子どもがお腹を空かせればどんな場所でも授乳しないといけません。そんなお母さんたちを応援する服、出かけられる服を創ろう、と思ったのがきっかけです。
 当時、国産のマタニティ用のアイテムは少なく、授乳には使い勝手がよくありませんでした。だったら作るしかない!友人のデザイナーにデザインを頼み、縫製は自宅のある茨城県の縫製工場にお願いしました。
 最初に考案した一つが授乳用ブラジャーでした。いつでも授乳できるように、乳房をカバーする部分に穴をあけて上からふたをするような形にしました。Tシャツは、切れ目を入れてみました。これは今でも人気商品の一つです。

既成の価値に捕らわれない自分の生き方を自由にデザインできる社会へ

 外出着として初期のころに創ったのがレイヤータイプ。前身ごろを2枚重ねて外側の前身ごろが授乳しているのを上手に隠してくれます。妊娠中でも着られるデザインで、特許も取っています。ほかにサイドスリップ、アンサンブルタイプ、わりと新しいデザインではカシュクールタイプもあります。こだわるのは、肌触りです。赤ちゃんに触れるものですから刺激が少ない肌触りが良いもの。家庭で洗えて、アイロンなどの手間がかからないものなど、いろんな所に配慮して生地選びをしてデザインしています。
 さらに産前産後、体形が変わってもずっと着ることができる「一人UD(ユニバーサルデザイン)」がコンセプト。最近では、授乳中のお母さんとそのお母さん、親子で色違いの授乳服を買われる方もいます。ブラは乳がんの患者さんが術後に使われることもあります。
 助産師さんと一緒に考案した現在販売しているブラはカップの開け閉めの手間がいらない、クロスタイプ。色々と改良されとても着け心地が好評で、ずっと使いたいという要望から東京都立産業技術研究センターと共同研究を行いバストメイクも可能な『モーブラしゃんと』を発売しました。

授乳服作りが、子連れ出勤できる「働く場創り」へ。女性が働きたいときに働ける場を創ってきました。

 モーハウスのスタッフは現在40人ほど。子育て中で子連れ出勤で働いているスタッフもいます。そんな働くお母さんたちが参加できるよう、職場は靴を脱ぎ子どもを連れて働ける環境をつくりました。
 お母さんを自由にする授乳服を「ないから創ろう」とやってきましたが、本当に私が「ないから創りたかった」ものは、既成の価値に縛られないで自分の生き方を自由にデザインできる社会だったように思います。