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バイオディーゼルとの出会いが、大きく人生を変えた

 前職のOL時代、たまたま廃食油でバイオディーゼル燃料を手掛ける会社を訪ねることになった星子さん。そこで初めてバイオディーゼル燃料に出合い、その衝撃は今でも鮮明に覚えているそうです。「だって、排気ガスが天ぷら油のにおいがするんです、驚きでしょ?」。早速その燃料を持ち帰り、知り合いの大学の研究者に調べてもらったそうです。
 「研究者を訪ねて初めて知ったのですが、菜種や大豆の食廃油を使ったバイオディーゼル燃料は、50年以上も前から存在していたんです。菜種や大豆は、成長する過程でたくさんのCO2を吸収して育ちます。その植物を作った食廃油を燃料にすれば、排出されるCO2は±0。しかもPMは通常の排気ガスの1/3以下という、とてもクリーンなエネルギーなんです」。
 バイオディーゼル燃料の存在を知り、「廃食油はどの家庭にあって生活に密着している。つまり誰でもクリーンエネルギーを作ることに参加できるのだ」と強く思ったそうです。
 その熱意ですぐさま行動に移り、ある企業でバイオディーゼル燃料の部門をまかされ、その普及活動に全精力を注ぐことに。しかし、不況のあおりを受けてその企業は倒産してしまいます。でも、ここで終わらせることはできない、自分が培ったノウハウをぜひ役立てたいと、他の企業へ誘いを掛けました。「何社も声掛けをしたのですが、どこの企業も、見事に断られました。そんな儲からん仕事は誰がするかっていう感じです。だったら、私がやるしかない、そう思ったんです。無謀でしょ?」。OLから転身して会社を興すとは、想像するだけでもその苦労は伺いしれます。ましてやまだまだ認知されていない、誰も手を付けようとはしないバイオディーゼル燃料・・・。そんな時に、星子さんの思いを知った同級生たちが手を差し伸べてくれて、苦労をしながら自らの手で起業していきます。

クリーンエネルギーが支える時代を目指し、できることを一歩ずつ、前に進んで

 「まず私たちの取り組みを知って頂くことが大切です。ご家庭の食廃油を捨てずにペットボトルに貯めて、近くの廃油回収ステーションに持っていっていただくだけで、私たちが責任を持ってクリーンエネルギーに変えていきす。誰でもいつでも参加できる、環境問題の取り組みなんです」。
 廃食油を回収する苦労、バイオ燃料の普及と未踏の世界を切り開くには苦難の道は続きますが、誰でも取り組める廃油こそが生活者の意識を変え、それが大きな原動力となって持続可能な豊かな社会になると信じている星子さん。
 「本当は公共のバスや施設の燃料がいち早くクリーンエネルギーへと転換すべきなんです。農家のA重油にもバイオディーゼル燃料を使って欲しいと願っています。ハウス栽培の維持費など、燃料費は高額になっていくばかり。安定的なバイオディーゼルが、その問題に一役を担っていけたらと思っています」。農業県である熊本は、もっと農業のエネルギー対策も考えるべきだといいます。
 「やるべきことは、山積みです。微力かもしれませんが、できることをひとつずつ、一歩、また一歩と進んでいきたいですね」優しい笑顔と華奢な体からは想像できない、内に秘めた熱い思い。「何もしなければ、何も始まらない。人がやらなければ自分がやる」、そんなひたむきな星子さんの思いは、きっと多くの人へと飛び火し、持続可能な明るい未来へと続いていくのではないでしょうか。